Cardiac rehabilitation
Cardiac rehabilitation
心臓リハビリテーションとは、心臓、血管の病気を持つ方の身体的、心理的、社会的な健康を回復、そして入院しないよう維持するためにアプローチするプログラムのことです。
病気の再発や悪化を防ぐこと、生活の質を向上させることが目的です。
以前は心臓・血管の病気の方は、動かさない、運動させない方がよいとされていましたが、安静を強いることで筋力低下に加え下肢に血栓ができるなど逆に命を脅かすこととの関連が知られるようになりました。
その後、色々な研究の結果から心血管の病気があったとしても高血圧、糖尿病や脂質異常症など心臓・血管病の原因となる病気に対して運動療法は重要であると強調され、さらには心臓リハビリテーションを行うことで死亡率の減少、生活の質、運動の耐久性や入院の減少の報告もされました。
運動ができる力があることは、様々な病気においても寿命が延びるとも研究で示されています。
日本における平均寿命は延びており、心不全も年齢を重ねるごとに増加することから今後も心不全を患ってしまう高齢者は増加することが予想されています。現に80歳以上の心不全の方の割合は増え続けています。
特にご高齢の心不全の方は、フレイル(高齢期に心身の活力が低下、色々な病気にかかり体の予備能力が低下、ストレスにも弱く日常生活が難しくなる、死亡などに陥りやすい状態のこと)であると、病気を繰り返しやすいとされます。
病気を予防する意味でもフレイルに至らないように栄養管理、運動療法などが重要です。
CR flow
心臓リハビリを開始する前に、その方の状態や病気のことなどをお伺いいたします。
次にお体など診察させていただき、適応であるかどうか、また色々な検査で身体機能や心臓の状態、注意しなければならない点なども評価していきます。
心臓リハビリは心電図などをつけながら監視下で単にトレーニングをすればよいというものではなく、どのくらいの運動が安全で効果があるかは、それぞれの方々で異なります。そのため個々に応じた運動メニューを処方するための目安としていくつかの方法があります。
中でも呼気ガス分析を併用した心肺運動負荷試験 (CPX)を実施し、最適な運動メニューを決めることが推奨されています。これをもとに判断し、運動処方いたします。
心肺運動負荷試験 (CPX)
心肺運動負荷試験 (cardiopulmonary exercise test: CPX)とは
運動をしながら、心電図、呼気ガスの酸素・二酸化炭素・換気量などを計測することで、呼吸や循環などがどのように機能するか、どこまでの運動が耐えうるのか詳細に解析できるものです。
それぞれの方々に応じた運動処方をもとに当院で併設している心臓リハビリ室にて行っていきます。
実施する時間は約1時間です。
当院ではリハビリ中でも監視が常時可能な心臓運動負荷モニタリングシステムも導入しており、安心して実施していただけます。
【心臓リハビリ料金 (保険適応)/1回分】
3割負担:約1850円
1割負担:約620円
Rehabilitation program